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2025年もあと1カ月と少し。そこで今回は、26年の世界経済の「主役」を大胆に予測しよう。スマホではなく、AI(人工知能)だけでもない。中国政府が約21兆円規模で支援する分野であり、米国ではオープンAIやグーグル、メタ、テスラなどのビッグテックが開発を急いでいる。日本では孫正義氏率いるソフトバンクグループが投資に熱心だ。世界のIT大手がのめり込む「AIの次」の事業とは?(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
2026年の世界経済を引っ張る「主役」は…
振り返れば2008年のリーマンショック以降、世界経済はスマートフォンが牽引役だった。転機は22年ごろ、AI(人工知能)にバトンタッチされた。そして最近、新たな次の主役が明確になりつつある。それはAIの流れを汲んだ「ロボット」が結合し、経済成長の原動力として期待されている。
中でもAI開発を加速しロボットへの搭載を積極的に進めているのは、米国と中国だ。とりわけ中国政府と中国企業の取り組みは、一部の分野では米国よりも優位になりつつあるようだ。EV(電気自動車)や車載用バッテリー分野でもそうだったようにAI搭載ロボット(フィジカルAIと呼ぶ)分野でも、中国が世界トップシェアを獲得する可能性は高い。
米国では、テスラのイーロン・マスクCEOを筆頭に、いくつかのスタートアップ企業がAIロボットの開発を急ピッチで行っている。逆に、iPhoneのヒットで世界経済を主導したアップルは、AIやロボットの開発競争にやや遅れ気味のようだ。
わが国は、スマホや半導体などの国際分業(水平分業)に乗り遅れたことで競争力を失った。エレクトロニクス関連企業はスマホの部品メーカーとして生き残ったものの、自動車など特定分野への依存は高まった。
AI+ロボット開発のパラダイムシフトに遅れると、世界経済における日本の地位はさらに低下するだろう。日本の企業や政府は何をすべきか。







