旧統一教会問題は「反カルト法」や質問権行使で解決できるか、元信者の教授が解説旧統一教会問題を機に反カルト法制定を求める声があるが、特殊宗教的な団体とする判断が難しい点など機能するかは疑問だ。政府の質問権行使も教団の「解散ありき」の調査にならないようにすべきだPhoto:JIJI

政府は初の質問権行使で調査
フランスでは反カルト法

 旧統一教会問題で岸田文雄首相は、宗教法人法に基づく「報告徴収・質問権」を行使する意向を表明した。

 消費者庁も霊感商法や高額寄付などについて、不当な勧誘で契約をしてしまった場合に取り消しがより容易にできるようにするなどの対策を検討し始めている。

 教団の不透明な活動や政治との関係についての解明や霊感商法を封じる対策強化が遅ればせながら、動き始めた形だが、日本は旧統一教会のような“カルト宗教”に甘すぎるとして、フランスを参考に反カルト法を導入すべきという声も上がっている。

 カルト団体が、刑法上の罪で有罪になった場合には訴訟を経て解散を宣告したり、無知や弱さに付け込んで判断力をゆがめることを禁じたりしている法律だ。

 だが何をもって特殊宗教的な団体や活動とみなすのかは、そもそもはっきりしない。また宗教的な背景が全く違うフランスの法律が日本の現状に合うのか、そもそもこの法律は言われているほど理想的なものなのか、慎重に考える必要がある。