世界経済が再び試練に立たされている。だが、今回は冷戦後の危機から各国を脱却へと導いてきた国際的な連携の機運は全く見られない。それどころか、世界の大国は互いを陥れることを狙っており、経済に深刻な打撃が及びかねないと危ぶまれている。  「ここまで経済を武器として振りかざす潮流は、おそらく過去数十年なかったことだ」。ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長はこう指摘する。「20カ国・地域(G20)が積極的に他国に打撃を与えようとしている。これは異なる世界だ」  欧州はエネルギー価格高騰という逆風を受け、すでにリセッション(景気後退)入りしている可能性があると指摘されている。