世界のビジネスエリートは知っている
長期投資に取り組む最大のメリット

──今回、お話を伺って、長期投資に取り組むのって結構大変そうだな、と思ったのですが、その一方で、面白いな、とも感じました。「売らなくていい会社しか買わない」を軸に投資先を選ぶとなると、いろいろな視点から企業分析しないといけないし。ビジネスパーソンとしても、勉強になりそうですよね。

奥野:それこそが、長期投資に取り組む最大のメリットとも言えるかもしれません。投資とは、「知の総合格闘技」なんですよ。自分なりの歴史観・価値観など、単なる知識ではない、広い意味での教養を持っていないと、自分なりの仮説構築・検証はできません。日本ではまだまだ馴染みがありませんが、世界中のビジネスエリートは、そういった「投資家の思考法」、インベスターシンキングを、当然のように駆使しています。

 一生勉強し続けなきゃいけないようで、辛く感じるかもしれませんが、成功する人はみんな、そうしています。楽して成功した人はいません。本書には、さまざまな企業を例に、企業分析の方法も詳細に解説しているので、これをきっかけに、ビジネスを実地で学ぶことの楽しさを知ってもらえたら嬉しいですね。

奥野一成(おくの・かずしげ)

投資信託「おおぶね」ファンドマネージャー

農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)
京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。2014年から現職。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している。著書に『ビジネスエリートになるための 投資家の思考法』『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』(いずれもダイヤモンド社)など。

 

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