中学受験は、小学校の学習とも公文やそろばんとも全く違う。そのため実際に塾に入れてみないとどこまで伸びるか分からない。

「近所の評判のいい中堅女子校に入れよう」と思って入塾させたらあれよあれよと偏差値があがり、5年生の段階で「御三家を狙えますよ」と塾からいわれることもあるし、入塾時に上位のクラスだったが、その後、伸び悩みうまくいかなかったというケースもある。

 そのような情報を知っている保護者たちは必ずこう話す。「難関校を狙わなくなってもちゃんと面倒をみてくれる塾がいい」

 そういう彼女たちが選ぶのは大手塾となる。大手はその規模を維持するために筑駒や三家や聖光、栄光といった難関校から中堅校まで幅広い学校の対策に対応しているからだ。

 この場合、予想外に偏差値が伸びた場合も、その反対の場合も大手塾なら対応ができる。大手塾の多くは学力下位のクラスは少数制にして授業をし、希望の学校に入れるようにしていく。このバランス感を優先するなら四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研、SAPIXなどの大手塾を選ぶのがいいだろう。

 反対に「なにがなんでも御三家」という目標を優先するなら、難関校対策に強い中小塾(グノーブルやエクタス、エルカミノ、SPICA、アントレなど)もいいだろう。それらの塾は、かなりハードな授業をし、難しい宿題を出し、大手塾以上の高い合格実績(数字ではなく率)を上げている。入塾テストのハードルが非常に高い塾もある。

 また、反対に「通学時間30分以内と決めているから中堅校対策だけでいい」という希望がある場合、中堅校対策を得意とする塾がいいかもしれない。前回に書いたような地元密着の個人塾や中小塾には中堅校対策に優れた塾は沢山ある。