ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ギリシャってどんな国?
ギリシャは、バルカン半島南東部に位置し、アルバニア、北マケドニア、ブルガリア、トルコと国境を接します。
ペロポネソス半島、クレタ島などエーゲ海の約3000の島々からなる国です。山がちな地形で、海岸線は複雑に入り組んでいます。最大の島はクレタ島です。
主な産業として、農業では生産量が世界有数のオリーブのほか、ぶどう、綿花、葉たばこなどの栽培が盛んです。資源ではボーキサイトが豊富です。多額の債務を抱え、海外移民送金などで貿易赤字の埋め合わせをしています。また、ヨーロッパ文明の発祥の地で数々の遺跡が残り、それらを観光業に活かしています。ほかにも、海運業が盛んです。
ヨーロッパ文化に大きな影響を与えたギリシャ神話やオリンピックでも知られます。オリンピックの発祥は神々に捧げる祭りで、紀元前9世紀頃から行われていました。その後、古代オリンピックは4世紀を最後に行われなくなりましたが、19世紀末にIOC(国際オリンピック委員会)が創設され、1896年に近代オリンピックの第1回大会がアテネで開かれ、現在に至ります。
アクロポリスと呼ばれる小高い丘にある、紀元前5世紀につくられたパルテノン神殿の柱はエンタシスという中央部が膨らんだつくりになっており、同じつくりが日本の法隆寺(奈良県)の金堂の柱などでも見られます。
ギリシャ共和国
面積:13.2万km2 首都:アテネ
人口:1057.0万 通貨:ユーロ
言語:ギリシャ語(公用語)
宗教:ギリシャ正教81-90%
隣接:アルバニア、北マケドニア、ブルガリア、トルコ
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)