日野“陥落” トラック大異変#3Photo:PIXTA

日野自動車は、2023年3月期上半期決算で辛うじて黒字を確保した。しかし日野は、二つの巨大な「爆弾」を抱えており、極めて危険な状態にある。このうち一方に火が付けば、もう一つも連鎖爆発し、経営危機に陥りかねないのだ。特集『日野“陥落” トラック大異変』(全5回)の#3では、日野にのしかかる巨大なリスクの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

上期は辛うじて黒字確保も…
経営危機に直結する「二つの時限爆弾」とは

 2022年10月27日、不正問題で揺れる日野自動車の決算説明会が行われた。

 23年3月期の上半期決算では、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は35億円。前年同期比70.4%のマイナスとなったものの、辛うじて黒字に踏みとどまった。

 しかし日野には、安心してはいられない事情がある。なぜなら、経営危機に直結する「時限爆弾」を二つ抱えているからだ。

 しかも、一方の爆弾が爆発すれば、もう一方が連鎖的に爆発し、危機が深刻化する懸念がある。

 これほどの破壊力を持つ「二つの時限爆弾」の正体とは何なのか。次ページでは、日野にのしかかる巨大なリスクの実態を明らかにしていこう。