帰宅後はもちろん「食事の前のうがい」が効果的な理由

 さらに大切なのはうがいをするタイミングです。外出中は口の中にバイ菌が入り込んでいて、帰宅後は感染対策に大事なタイミングなのです。この時、必ず水道水でうがいをしてください。殺菌効果の高さを謳ううがい薬の中には、うがいをすると善玉菌までやっつけてしまい、粘膜バリアーがなくなるため、かえって感染しやすくなるものがあります。

 実は、朝起きたときもうがいの効果的なタイミングです。寝ている間は唾液の量が減るので唾液の殺菌効果が下がり、また口を開けているので口の中が乾燥してバイ菌が繁殖しやすい状態。寝る前と比べ、起床時には口の中のバイ菌数は30倍に増加しますから、うがいをして口の中のバイ菌を減らしましょう。またバイ菌の増加に伴い口臭の原因となる硫黄化合物を発する菌も多くなっているので、起床時には口臭も強くなっています。

 そして、オススメしたいうがいのタイミングが、実は日中で最もバイ菌数が多くなる「食事の前」です。食後の歯磨き後は口の中のバイ菌の数が最も少なくなっていますが、時間とともに増加します。試験管の中ではバイ菌の数は3時間で2倍に増えるのですが、実際の口の中はバイ菌の繁殖に好条件で、仮にお昼の12時に食事・歯磨きをしても、7時の夕食時には歯磨き前と同じくらいに増加しています。そのまま食事をすると食べ物と一緒にバイ菌を飲み込んでしまい、飲み込んだバイ菌は腸内細菌叢をかき乱し、ホルモンバランスや全身の健康に悪影響をもたらすことがわかっています。