新生児は16時間以上眠らせるようにといわれていますから、10~12時間ではかなり少ないといえるでしょう。
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』より 拡大画像表示
赤ちゃんの睡眠不足は深刻な問題
また、赤ちゃんがまぶたを母親の肩にこすりつけているというのに、疲れきった母親は「うちの子は全然眠くならないみたいなんです」といいながら、赤ちゃんの顔の前でカラフルなおもちゃを振っているのを目にしたこともあります。こうした例からもわかるように、親の多くは、子どもが睡眠不足になっていることに気づいていないのです。
2005年、アメリカ国立睡眠財団の委託により、4歳未満の子どもたちの睡眠習慣と行動について全国的な調査が行われました。
生まれてからの1年は、月齢によって赤ちゃんが必要とする睡眠時間に変化が見られますが、睡眠財団の小児科特別委員会は、新生児の段階をすぎた赤ちゃんのほとんどが24時間中13~15時間眠る必要があるといっています。
しかも、これはあくまでも最低必要な睡眠時間です。16時間以上眠ってすくすく育っている赤ちゃんもいます。
ところが、睡眠財団の調査によると、アメリカの赤ちゃんの約半数は1日に12時間以下しか眠っていません。
これは深刻な問題です。
1日12時間しか眠っていない生後6か月の赤ちゃんは、人生最初の1年間で合計数百時間も睡眠が足りなくなるからです。
さらにこの調査から、睡眠不足の赤ちゃんたちの家族は、もっと寝てくれればいいのにと思ってはいますが、子どもが実際に睡眠を「必要としている」ことには気づいていないこともわかっています。
よく眠る子どもほどぐずらないことが明らかになっており、まずは、今すぐにでも赤ちゃんの睡眠不足を解消してあげることが大切なのだと理解しましょう。