「いい会社」はどこにあるのか──? もちろん「万人にとっていい会社」など存在しない。だからこそ、本当にいい会社に出合うために必要なのは「自分なりの座標軸」である。そんな職場選びに悩む人のための決定版ガイド『「いい会社」はどこにある?』がついに発売された。20年以上にわたり「働く日本の生活者」の“生の声”を取材し、公開情報には出てこない「企業のほんとうの姿」を伝えてきた独立系ニュースサイトMyNewsJapan編集長・渡邉正裕氏の集大成とも言うべき一冊だ。同書のなかから厳選した本文を抜粋・再編集してお送りする。
「量産型ノースキル文系」を待ち受ける苦難
前回に引き続き、「学問の功利性マップ」を参照しながら、「企業で雇われる力」を見ていくことにしよう。
※参考記事:
・【出身大学&専攻別】「雇われる力」が一発でわかる“就活楽勝度マップ”
・【大学の専攻別で見る】楽勝で就職できる学問、かなりキビシイ学問の全体像
第4、第5列の分野だけを専攻している人は、上位ならポテンシャル採用されるが、下位では過小評価されて内定につながらないため、強い心を持っていない限り、自己肯定感を持ちにくく、挫折しやすい。それを補うため、就活戦線を戦い抜く「武器」が必要となる。丸腰でも内定は出るが、ブラック企業の確率が高まる。
「量産型ノースキル文系」は、物理的に頭数が必要な外食・小売の営業部門、たとえば店長候補などにハメ込まれがちだ。その後のキャリアも、似たような職歴を持つ転職希望者がつねに供給過多のなかで、不利なキャリア形成を余儀なくされやすい。企業としても、積極的に採りたくて採るのではなく、右側のAやBから採れないから、次善の策として採る、またはブラック企業が「使い捨て要員」として採るのだ。
武器として有効なのは、語学力だけでなくコミュニケーション力・サバイバル力・ストレス耐性の指標にもなる外国への「留学経験」、小さくてもよいから実際に自分でビジネスを立ち上げ売上を作った「ビジネス経験」、そしてリーダーシップや組織に馴染む力と体力や協調性の指標となる「体育会経験」、が代表的なものである。加えて、なんでもよいので一芸のタイトルがあると強い(Eスポーツ○○大会優勝など)。