インターンシップ選考に落ちて諦めてしまう学生

 一方、インターンシップ類における課題も浮き彫りになってきた。大手企業における対面型のインターンシップ類への学生の参加は狭き門であり、ある企業(A社)では3000人を超える応募に対して50人程度しか受け付けなかった。参加する学生を対面できちんとケアするとなると、人数を絞らざるを得ないからだ。そして、A社のインターンシップ類の参加人数は実際の採用予定数と比べても格段に少なかったのだが、学生は、インターンシップ類の選考に落ちた段階で「A社にはもう受からない」と思い、本選考への応募をせずに諦めてしまったという。

高村 企業としては、優秀な学生が「インターンシップに参加できなかったから」という理由で逃げてしまっては本末転倒です。「インターンシップの参加がかなわなかった学生にも本選考に応募してほしい」というのが人事担当者の本音です。かつて、子どもの数が多く、“受験戦争”といわれた時代には、大学入試の段階で挫折を知る学生が多くいました。しかし、いまは推薦入試やAO入試が増え、学生時代はコロナの影響もあって、さまざまな経験でのトライ&エラーが減っています。インターンシップ類へ応募して落選したことが、“人生で初めての挫折”となってショックを受けるのです。企業側は、そうした学生のメンタリティに配慮しつつ「インターンシップ選考は本選考とは直接的な関係はない」ということを、丁寧に説明しておくとよいでしょう。

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