――筆者のリチャード・カッツ氏は米カーネギー倫理国際関係協議会のシニアフェロー ***  米国のインフレに関する過去数週間の朗報は、同国の株式・債券相場だけでなく、日本の円相場も押し上げた。11月3日~12月6日の間に、円の対ドル相場は1ドル=148円から137円に上昇した(数値が小さくなるほど円の価値は上がる)。これは偶然の一致ではない。米国と日本の金利差拡大は円への需要を減らし、日本から米国へ、より多くの資金を移動させる。金利差の縮小は逆の効果を持つ。米国の金利と円相場の上下動は、米国のインフレ抑制の進展ペースに連動する。