11年の漢字は「絆」。東日本大震災の体験から、身近な人との絆を再確認したことが選定理由に挙げられている。この年、『週刊ダイヤモンド』では初となる、総予測特集を2回発行。10年末に発売した総予測特集で取り上げた項目のうち、政治・経済、産業・企業の主要項目について、3月11日以降、何が焦点になっているのかを踏まえつつ、予測を改訂した。

 さて、これ以降の経済動向は記憶に新しい読者も多いだろう。13年の漢字は「輪」、14年に「税」、15年に「安」と続く。震災直後の大混乱から復興の道へと歩み始めた12年12月、第2次安倍内閣が発足。13年には、20年のオリンピック・パラリンピックを東京で開催することが決まった。

 また、当時は円安に加え、国際航空路線の拡充やビザ緩和などを背景に、訪日外国人観光客が急増。15年の訪日外客数は前年比47.1%増の1973万7000人を記録し、統計開始以降、最大の伸び率となった。中国人観光客らが家電やブランド品などを大量に購入する「爆買い」が注目を集めるように。

『週刊ダイヤモンド』でも、東京五輪決定を受けて、14~20年の中長期的な総予測特集を発行した。