この20年、株価の上昇とは対照的に日本人の暮らしは凋落を続けている。軽自動車やマンションだけでなく、大学進学や専業主婦なども、もはや「高級品」となった。特集『総予測2023』の本稿では、グラフとデータを基に日本人の暮らしのリアルを解剖する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
日本経済が停滞した20年のツケ
株価上昇と対照的な庶民の暮らし
年末によく演じられる落語に「掛け取り」という演目がある。大晦日にツケの回収にやって来る商人と、それをあの手この手で追い返す長屋の住人の噺だ。
落語であれば滑稽話で済むのだが、現実の世界は笑いようもない。なにせ、日本経済の停滞によるこの20年の“ツケ”は、取り戻し難いほど深刻だからだ。
「軽自動車」や「マンション」など暮らしの基盤はもとより、今や「大学進学」「専業主婦」や「定年後の悠々自適生活」さえも、収入低迷や老後生活費の不安から“高級品”になっている。
次ページでは、その衝撃的な実態を豊富なビジュアルで示した。もはや「勤労」への対価だけでは“じり貧”であることが実感できるはず。その上で、現代日本人が生活を少しでも豊かにするため発想の転換を見ていく。