そして、19年の漢字は「令」。明仁上皇が天皇を4月30日に退位し、新たに皇太子徳仁(なるひと)親王殿下が5月1日、第126代天皇に即位した。日本が祝福ムードに沸く中、12年12月から続いた景気拡大期間が18年10月に終わり、再び景気後退局面に入っていたこと、20年に世界を未曽有のコロナショックが襲うことは、誰も予測できなかった。

 22年の漢字は「戦」。ロシアのウクライナ侵攻により、「戦」争の恐ろしさを目の当たりにした一年であり、円安・物価高による生活上での「戦」い、スポーツでの熱「戦」・挑「戦」も注目されたことが、応募者の選定理由だという。

 そして23年も、日本経済の戦いは続くことになるだろう。12月12日からダイヤモンド編集部がスタートした特集『倒産危険度ランキング×インフレ・過剰債務で危ない725社』では、日本企業の過剰債務問題が、23年の重要テーマの一つであることを予測している。

 コロナ禍で低迷する企業向けに、国の支援で実質無利子・無担保とした「ゼロゼロ融資」実績は、累計でなんと約42兆円にもなる。その結果、企業の有利子負債は膨れ上がり、収益を回復できないまま生き延びている「ゾンビ企業」があふれるようになった。

 ゼロゼロ融資は22年9月に終了し、23年は返済が本格化する。今までは超低金利が「当たり前」だったが、海外では金利上昇圧力が高まっている。加えて、23年には約10年続く異次元金融緩和を主導してきた日本銀行の黒田東彦総裁が退任する。日本でも低金利の環境から抜け出すタイミングが、遠からず訪れるとの見方があるのだ。

 足元の原材料やエネルギー価格の高騰に加え、過剰債務に陥っている状況で少しでも金利が上がれば、企業収益や倒産動向が、さらに厳しくなるのは必至だ。また、真の意味でのデフレ脱却や賃上げは道半ばである。それらの行方は、12月15日からオンラインで先行配信をスタートした『総予測2023』でぜひチェックしてほしい。

ダイヤモンド編集部が総力を挙げて取材・執筆中の『総予測2023』が12月15日からオンラインで先行配信をスタート!雑誌は12月19日(月)店頭発売です!ご期待ください。

(ダイヤモンド編集部)