「リーダーシップを発揮しなければならない」と言われ続けているが、頭ではわかっていても発揮できないという声が後を絶たない。実は、リーダーシップ発揮の成否を左右する、元になるスキルや行動がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
リーダーシップを存分に発揮するには
何をどうすればよいのか
「リーダーシップ力を高めよう」と言われ続け、ほとんどの管理職が、「リーダーシップスキルを発揮しなければならない」と考えているだろう。しかし、「頭ではわかっているが、発揮できない」「何をどうすれば、発揮力が高まるのか、具体的な方法がわからない」という相談を受ける。
ひいては、「持って生まれた素質に左右されるので、一朝一夕には発揮できない」「後天的に身に付けようとしても、気の遠くなるような時間がかかる」「今からでは、どうしようもない」という諦めの声まで聞こえる。
しかし、私はそうは思わない。諦める必要はないと、強く言いたい。リーダーシップスキルというように、漠然とした大きなくくりで捉えようとするから、何をどうすればよいか見極めにくいだけなのだ。
大切なのは、リーダーシップの元になるスキルや行動に着目することだ。大きなくくりで捉えるのではなく、スキルを分解し、どの部分を高めれば、全体の能力が高まるのか、どのような行動をすれば、全体の能力発揮レベルを押し上げることができるかを見極めて、相関が強いスキルや行動のレベルを高めていければよいのだ。
リーダーシップの発揮力と正の相関がある、特定のスキルや行動があるのだろうか。20年来、さまざまな企業の各層の参加者とスキルの発揮力を高める演習プログラムをし、演習時に発揮されたスキルを数値化してきた。その結果、特定のスキル、特定の能力領域を高めると、リーダーシップ全体の発揮力が高まることがわかった。