ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ミャンマーってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ミャンマーってどんな国?

 ミャンマーはインドシナ半島西部に位置し、ベンガル湾に面する国です。バングラデシュインド中国ラオスタイと国境を接します。

 北部の高地からエーヤワディー川(イラワジ川)とタンルウィン川が並行して南北に貫流し、平野を形成しています。

50年続いた軍事政権と民主化運動の歴史

 ビルマ人が約70%を占める一方、135の民族を擁する多民族国家であり、現在でも、迫害を受けたムスリムのロヒンギャ族が隣国へ避難するなど、民族対立は国家統合を困難にしています。

 1886年、ミャンマーは隣接するインドの一部としてイギリス領となり、1948年にビルマ連邦共和国として独立。独立後は内戦を抱えながらも、議会制民主主義による政治が行われますが、1962年に成立したネ・ウィン軍事政権は、社会主義的な国家建設を目指しました。

 その後全国的に民主化運動が発展し、1990年の総選挙でアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝しますが、スーチー氏は軟禁され、軍政は維持されました。

 民政移管が実現したのは2011年であり、2016年には選挙によってNLD政権が誕生しました。2020年の総選挙で決定的な敗北を喫した軍部は、翌年にクーデターを起こして民主勢力を弾圧し、スーチー氏は拘束されました。

 独立後、ミャンマーでは政権が全土を統治できたことは一度もありません。軍に権力が集中する政治・経済機構の存在が、度重なるクーデターと横暴を可能にしているのです。

東南アジア東南アジア

ミャンマー連邦共和国

面積:67.7万km2 首都:ネーピードー
人口:5706.9万 通貨:チャット
言語:ミャンマー語(公用語)、シャン語、カレン語
宗教:仏教87.9%、キリスト教6.2%
隣接:バングラデシュインド中国ラオスタイ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)