ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

東南アジア東南アジア

タイってどんな国?

 タイは、インドシナ半島中央部に位置する国です。

 北部から北東部にかけて高地と台地が広がり、ミャンマーやラオスと国境を接します。また、南東部はカンボジアと国境を接します。

 中央平野部にはチャオプラヤ川が貫流し、南部は長くのびたマレー半島北部を占め、マレーシアと国境を接します。

 主要産業は農業で、就業者の約40%を占め、米の輸出量は世界第2位です(2017年)。

 チャオプラヤ川流域では雨季の水位上昇に合わせて成長する浮き稲が栽培されてきましたが、生産性が低いため生産量は激減しています。

 現在では灌漑施設の整備により二期作・三期作が可能になり、米の収穫量は増大しています。

周辺国が植民地化される中で、独立を守り続けた歴史

 19世紀以降、ヨーロッパ列強の侵略でインドシナ諸国は植民地化されましたが、タイは唯一独立を守った国でした。

 1782年、現在まで続くチャクリー王朝が成立しました。列強諸国との巧みな外交戦略を展開し、1932年には絶対王政から立憲君主制へ移行し、国家体制を整えました。

 第二次世界大戦後は、軍事政権と文民政権のせめぎ合いが続き、2014年の軍事クーデター以降、軍政の流れをくむ政権が続いています。

 政治的混乱に際して、国民から崇敬されている国王が仲裁に入ることがたびたびあり、国王の政治や国軍への影響力はきわめて大きいといえます。

 1980年代後半以降、外資の導入で輸出指向型工業が発展しました。とくに自動車産業は、日系企業の輸出拠点としてASEAN地域の中核的役割を担っています。

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タイ王国

面積:51.3万㎢ 首都:バンコク
人口:6948.1万 通貨:バーツ
言語:タイ語(公用語)、ラオ語、中国語
宗教:仏教94.6%
隣接:ミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)