どんな仕事も1万回を早く達成した者が勝ち
仕事で一人前になるには、難しいテクニックを身につけたり、資格を取得したりしなくてはいけないのではないか――そのように身構えてしまう人もいるかもしれません。しかしそんな必要はありません。なぜならどんな仕事も1万回繰り返せば一人前になれるからです。
「本当にただ繰り返すだけで一人前になれるのか?」と疑うかもしれませんが、よく思い返してみてください。スマホのフリック入力、パズルゲーム、パソコンのタイピング――何度も繰り返すことで、何も考えなくても勝手に上達することは日常にもあふれています。仕事もまったく同じなのです。
ところが何も考えず繰り返せばいいだけにもかかわらず、なかなか1万回を達成できない人も多くいます。それはなぜでしょうか?
典型的な2つのパターンを挙げながら説明していきましょう。
1つ目のパターンは、別のことに目移りしたり、飽きてしまったりして、1万回達成する前にやめてしまう人です。
どんな仕事でも同じですが、何度か繰り返していくうちに、自然と体が慣れていきます。そこで「仕事が身についた」と勘違いしてしまうと、このパターンに陥ってしまいます。このような人ほど、「この会社で学べることはもうないから、次の職場に移ろう」と、安易に転職を繰り返す傾向があります。
しかし、ちょっと慣れたからといって、しっかり身につける前にやめてしまえば、数ヶ月後にはすっかり忘れてしまうことを知っておかねばなりません。
「習い事」が良い例でしょう。せっかく習い始めても、すぐにやめてしまえば、結局のところ何も身につかないまま、お金と時間を無駄にするだけです。
言い換えるならば、一つの仕事を1万回続けることすらできない人間が通用するほど、ビジネスの世界は甘くない、ということです。
もう一つのパターンは、1万回に達する前にもかかわらず、思うような結果が出ないことで「この仕事は向いていない」と自分で勝手に失格の烙印を押し、ペースダウンしてしまう人です。そのような人は、ますます成長が遅くなり、結果を出せるようになるまで膨大な時間がかかってしまいます。