自分の素質を開花させるために必要なこと

 例えばルート営業。配属されたばかりの頃は1日10社回っていたのに、半年後、1200社回ったところで、1日2社しか回らなくなってしまったとしましょう。1万社まで残り8800回ですから、1年で245日出勤するならば、1万社を達成するまで約18年もかかるわけです。

 一方で、1日10社のペースをひたむきに守り続けた人は、約4年で1万社に達します。その後も同じペースで回り続ければ、前者とは比べ物にならないほどの営業力がつき、成績も雲泥の差になっているのは火を見るよりも明らかです。

 Web制作の現場でも、会社から決められたフォーマットと手順でページを制作するなど、毎日同じような作業が延々と続く場合もあります。

 それでも飽きずに1万回コツコツと続けることで、より効率の良い手順やフォーマットの問題点などが見つかるようになり、積極的な業務改善ができるようになるのです。

 先ほども申した通り、若手社員のうちは1日も早く一人前になることに集中しなくてはいけません。途中でペースダウンしたら、下手すれば定年まで1万回達成できないかもしれません。したがって1万回達成するまでは、周囲と比べて焦ってはいけません。自分の可能性を疑ってはいけません。他の仕事に目移りしたり、楽な方に流れたりするのは論外です。

 余計なことにとらわれず、与えられた仕事を黙々とこなすことに集中してください

 東京パラリンピックで金メダルを獲得した車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾選手は「3万回のマッスルメモリー」といって、一つのショットを身につけるのに最低でも3万回は繰り返し練習するそうです。

 かの長嶋茂雄氏も、大学時代は1日1000回の素振りを欠かさなかったと言われています。その長嶋選手が監督になってから「4番1000日計画」と銘打って、毎日マンツーマン指導で昼夜問わず素振りさせたのが松井秀喜氏です。結果、松井氏は入団3年目で読売巨人軍の4番となり、その後、日本を代表するスラッガーへと飛躍を遂げたのです。

 彼らの例からも分かる通り、素質を開花させるには地道な練習をひたすら繰り返すより他ありません。

 自分の素質を開花させ、ビジネスの第一線で活躍するためにも、目の前の仕事を1日でも早く1万回達成できるように頑張りましょう。

(本記事は『あなたのビジネスライフは入社3年で決まる』から抜粋・編集したものです)