誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
どんな人とも運命共同体
いい人悪い人、馬が合う人合わない人、好きな人嫌いな人、価値観の合う人合わない人――まわりにいろんな人がいますよね。でも、広く人生をとらえて、誰もがいずれ死んでいくと考えれば、どんな人とも運命共同体みたいなものなんです。こういう考え方をすると、自分の心の器がちょっと大きくなるんですよ。
許せないような人がいても、人類というひとつの巨大な船に乗った運命共同体みたいに考えると、「ま、こんなヤツがいてもしょうがないか」なんて思えてきたりします。そして、ちょっとだけ優しい目で見られようになるので、こういう広い視野での考え方を頭のどこかに残しておくといいでしょう。
「どうしても許せない人がいる」なんていうときは、おおよそ物事を俯瞰的に見られていないものです。これは近視眼的に、自分の視点だけで相手のことを捉えていて、2人の関係性にだけ視野が向いていて、まわりのことが見えなくなっている状態なんです。
負の考えを逃してあげる
そういうときこそ、もうちょっと広い視野で相手との関係性を眺めてみるようにするといいです。「まあいろんな事情があって、こんなヤツになっちゃったかもしれない」「なんか事情を抱えてるかもしれないな」なんて思いを巡らす。
だからといって、相手を許す必要はないのですが、そういう俯瞰的な視野で物事を捉え直すようにすると、少しはモヤモヤするストレスや追い詰められた辛い感情、「もう無理だ」みたいな負の考えを逃してあげられると思うんです。
とくに対人関係で嫌なことがあったら、「人類は運命共同体みたいなものだ」と思ってみてください。ある意味、こうした神様のような視点をもってお互いを見ることによって、ちょっとはおおらかになれると思うんです。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。