セブン解体 池袋動乱編#4Photo:JIJI

1月24日、百貨店子会社そごう・西武の株式譲渡の延期を発表したセブン&アイ・ホールディングス。背景には、関係者の合意がないまま売却を“ゴリ押し”して巻き起こった「池袋動乱」がある。このまま事態の紛糾が続くようなら、待ち受けるのは井阪隆一・セブン&アイ社長体制の崩壊だ。では、セブン&アイが経営刷新に踏み切った場合、井阪氏の後任になり得るのは誰なのか。特集『セブン解体 池袋動乱編』(全6回)の#4では、後任候補の実名と、セブン&アイでささやかれる後継人事の懸念について明かす。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

売却延期で現実味が増す「交渉決裂」
井阪体制の責任問題に発展か

 1月24日、百貨店子会社そごう・西武の株式譲渡の延期を発表したセブン&アイ・ホールディングス。背景には、関係者の合意がないまま売却を“ゴリ押し”して巻き起こった「池袋動乱」があるが(詳細は本特集#3『セブン&アイが公表したそごう・西武売却延期の「全内幕」を暴露!三菱系証券の“計略”裏目に』参照)、それによってセブン&アイに降りかかるリスクは「ディールブレーク(交渉決裂)」にとどまらない。

 このまま事態の紛糾が続けば、待ち受けるのは「井阪(隆一・セブン&アイ社長)体制の崩壊」(セブン&アイ関係者)だ。セブン&アイ経営陣に対して強まる「機能不全」の批判を、かわすことができなくなる。

「だがセブン&アイの指名委員会が、経営刷新に踏み切れるかは疑問だ。指名委員に就く社外取締役は、職務を全うする気があるのだろうか」。セブン&アイのあるOBはそう訝る。セブン&アイでは「井阪社長の後継者選定は、指名委員会の通常業務として日頃から行われている」(同社関係者)といわれるが、池袋動乱を起こしてしまった現状は、すでに通常ではない。これまで事態を静観してきた物言う株主(アクティビスト)も、経営陣への圧力を強め始めている。

 井阪体制の崩壊は起こり得るのか。

 次ページでは、セブン&アイでささやかれる後継人事における懸念と、井阪氏の後任候補の実名を明かす。