机に書類を広げるビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

営業担当者のほとんどが
相手のことを知らない

 会社にいるとひっきりなしに営業電話がかかってくる。会社の問い合わせアドレスには数限りない案内メールが入る。あるいは、知り合いから、ある人と会ってやってほしいと頼まれることもよくある。

 それらの中身は、だいたいこんな感じである。御社をHPで見て知ったが、御社のビジネスにとって大変良いツールがあるのでぜひ紹介したい。弊社のクライアントが(実名は明かせないのだが)御社に興味があるというので、代理で連絡した。著書を読んでとても興味を持った、それに関連することでお話を伺いたいのでぜひ会いたい。

 それで、たまに実際に会ってみると、まず99%はハズレである。HPを見たと言っても本当に“見た”、一瞥しただけである。会社がどんな領域で顧客にどんな価値を提供しようとしているか(他社との違いなどを含め)を理解していることは皆無に近い。著書を読んだ、と言っているが、タイトルと目次の章立てを見て、話のネタになりそうなところを2、3ページ斜め読みしたくらいがせいぜいで、そこから無理やりに商品の営業に結びつけようとする。

 要はまともに予習をしていないのだ。とはいえ、電話やメールなどの最初のアプローチの際に、少々「はったりをかまし」て、御社のHPを見て(本当は見てなくても)興味を持ったと言うくらいは許容範囲だとは思う。ただ、実際に会う前には、それなりに予習をしてくるべきではないかと思うのである。

 なぜこうなってしまっているのだろうか。