米クアルコムのチップ「Snapdragon」の場合、800番台や8シリーズが上位になるのだが、今は700番台、600番台でも多くのアプリが快適に動作する。
さらに、画面の書き換え速度を示すリフレッシュレートも中級クラスのモデルで十分になっている。
基本性能だけでなく
カメラも「おなかいっぱい」だ
スマホの進化の多くの部分がカメラに寄与していた。誰もが美しい写真を撮りたいと考えたし、コンパクトデジタルカメラの代わりに、さらにコンパクトなスマホを使い始めた。当初は「もっときれいに撮れる機種」を多くの人が求めていた。
ところが、どんどんスマホカメラの画質が向上し、今や2億画素というとんでもない性能のカメラまで登場している。一眼レフカメラの中でも画素数が高い「フルサイズ」と呼ばれるモデルの標準的な画素数は2000万台で、40万円くらいするハイエンド製品でも6000万台という水準だ。
それらをはるかに上回るスマホカメラまで登場している状況で、基本性能と同様に、カメラも「おなかいっぱい」なユーザーが多くなってきたのだ。
スマホを買い換えれば確かに写真はきれいになるが、その改善の割合が減っている。買い換えると圧倒的にきれいになった数年前に対し、今は少しだけきれいになる――といった印象でしかない。