米銀の間で暗号資産(仮想通貨)企業との関係を見直す動きが広がっている。金融システムとデジタル通貨を切り離そうとする規制当局の動きが背景にある。サム・バンクマンフリード氏の暗号資産交換業者FTXが昨年、経営破綻したことを受けて、当局は銀行と暗号資産業界の顧客との関係に懸念を示すようになった。米証券取引委員会(SEC)は業界大手への取り締まりを強化しており、これら企業の事業範囲が狭まる可能性がある。複数の関係者の話では、SECの標的になっている企業とビジネスをしたがらない銀行は、こうした動きに警戒感を抱いている。関係者によれば、銀行はどれほどささいなものであっても、暗号資産関連のリスクを見直すようになった。暗号資産業界に深く関与した中小銀行は、この市場にかかわるリスクを減らすか、関係を一切断ち切った。暗号資産と距離を保ってきた銀行は、業界とつながりのありそうな顧客を敬遠し、口座を閉鎖するなど、関与を避ける取り組みを強化している。
米銀に暗号資産離れ 当局の動き警戒
FTXの経営破綻を受け、規制当局が取り締まり強化
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