唐突な社長交代の発表
続投予想の裏に章男氏への期待
トヨタ自動車を13年間も率いてきた創業家の豊田章男社長が後継への社長交代を発表してから1カ月が経過する中で、次期社長の佐藤恒治氏らによる会見や、その翌日には豊田章一郎名誉会長が逝去するなど、トヨタの歴史が変わる大きなうねりがあった。
まず、1月26日にトヨタは突然のトップ人事を発表するとともに、豊田章男社長と内山田竹志会長、次期社長に指名された佐藤恒治執行役員の3人がトヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」で生放送での緊急会見を行った。
このトヨタのトップ交代はどこのメディアも予想できなかったもので、日本経済新聞は年初に「トヨタ自動車の豊田章男社長の続投が有力だ」と報じていたほどだ。この記事では「6月で就任15年目となるが、22年4月に新たな経営体制に変更したばかり。現体制で電動化対応などを進める。日本自動車工業会の会長として力を入れるジャパンモビリティショーが23年秋に控え、業界の振興や脱炭素にも継続して取り組む」と、あえて続投を予想した理由を解説している。