就活本に初めて「自己分析」の考えを取り入れた就活のバイブル『絶対内定』
その最新作となる『絶対内定2025-2027 インターンシップ』が刊行になった(3月1日発売)。2025年卒以降の学生向けのインターンシップ対策決定版であるその内容を特別に公開する。
ただ内定をとるだけではなく、「本当にやりたい仕事がわかる(やりたいことに気づける)」「自分らしく働ける会社と出合える」「入社してから『こんなはずじゃなかった』と後悔しない」ための1冊であることが大きな特徴だ。
これまで10200人以上に就職・転職指導をし、その第一志望内定率が93%というキャリアデザインスクール「我究館」がもつノウハウがこのシリーズには詰まっている。
コロナ禍で価値観が大きく変わるなか、会社選びも大きく変わってきている。
自分らしい働き方とは、生き方とは……。『絶対内定』とともに就活を進める学生が増えている。
(構成/藤本健司、ダイヤモンド社・朝倉陸矢)

絶対内定Photo: Adobe Stock

インターンシップの筆記試験とは

 企業が選考で使用するテストには、さまざまな種類がある(SPI、デザイン思考テスト、GAB、CAB、玉手箱、TG-WEB、内田クレペリンなど)。テストの種類によって言語能力、非言語能力、法則性発見能力、語学力、数的処理能力などを見る。出題形式はさまざまだ。
 それぞれの企業が、学生を見ているポイントが異なるため、企業によって採用しているテストはバラバラである。

 インターンでテストの受験を求められる場合は、その企業が本選考で使用しているものが出てくるケースが多い。志望企業が例年、どの種類のテストを採用しているかを、ネットや本などで確認しておこう(企業によっては独自のテストを開発している場合や、ケースは少ないが年度によってテストを変えてくることも)。

 その中でも、SPIが使われるケースが最も多い
 志望企業のテストがわからない場合は、まずはSPIの対策をしておくことをおすすめする。
 当然ながら本選考でもSPIを採用している企業が多いため、ムダになることは少ないだろう。対策は書籍を購入するのがおすすめだ。「SPIノートの会」のものがわかりやすい。最低でも正答率80%を目指そう。
特に自分が志望している企業に対して、自分の学歴が低いと思っているならば、8割以上の高得点を目指すことが重要だ。採用担当者にスコアが渡され、それによってきみの印象が左右されることもある。こういった細かいところにもこだわりたい。

 ここでは、就活を通してSPIの正答率を85ポイントも上げたRさんの勉強法を紹介する。自分なりの学習習慣を確立させるために、やり方を取り入れてみてほしい。

いつ・どんなときに始めたのか

 夏インターンの選考に先立ち、大学3年生の春に『史上最強 SPI&テストセンター超実践問題集』(オフィス海・著 ナツメ社刊)の、当時の最新版、通称青本を解いてみた。
 「できた」実感は全体のわずか5%ほど。「このままでは、筆記試験のせいで就活に失敗する」と絶望を感じた。大学までずっと野球一筋。推薦で入学したこともあり、試験が苦手なのは明白だった。

どんな対策が有効だったか

 青本はあくまで問題集なので解説を理解しきれず、この本から始めるのは難しいと判断。問題がやさしく、解説が丁寧な『これが本当のSPI3だ!』(SPIノートの会・編著 講談社刊)の最新版を使っていた。
 ほぼ毎日、2時間を確保し勉強し続け、ある程度慣れてきたら、青本に戻りひたすら何度も解いた。特に苦戦したのは非言語分野。理屈がわからないものは答えを暗記するほど繰り返した。
 スコアはすぐに上がるものではない。大学3年生の12月までの半年間は成長した実感がなく、つらい時期をすごした。何度か実際のテストを経験してから、解ける自信がついた。我慢して勉強を続けたのがよかった。

対策のポイント

 仲間と協力し、弱点を補い合いながら一緒に取り組むこと。筆記試験が苦手な一方で、自己分析や企業研究は、他の人に比べて進んでいる自信があった(実際、ESで落ちたのは1社のみ)。そこで筆記試験が得意だが、自己分析で苦戦している仲間と、お互いの苦手を潰していった。筆記試験でつまずいている単元の解説をしてもらうかわりに、自分は自己分析のサポートをした。
 その結果、自分だけでは理解できない疑問を解消でき、対策は飛躍的に進んだ。お互いにギブアンドテイクの関係が築けたので仲間との関係も良好だった。

本選考の結果と得られたもの

 テストセンター形式では、志望企業の選考をすべて通過。そのうち最難関とされる企業では、およそ90%の正答率を求められていたという。
 仲間と対策を続けられたことも大きな収穫だった。1人で物事を進める方がなにかと効率的と考えていた自分が変わったと思う。他者と関係を築くときに「自分が相手のためになにをしてあげられるか」と考え行動できるようになった。

(本稿は、『絶対内定2025-2027 インターンシップ』を抜粋、再構成したものです)

藤本健司(ふじもと・けんじ)
我究館館長
千葉大学教育学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。営業に配属され、2年目に優秀社員賞、3年目に社長賞を受賞。2012年「世界の教育問題に対峙したい」との思いから、青年海外協力隊としてケニア共和国で活動。3年間、JICAや現地の省庁と連携し、児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わり、「人は志や気づきによって大きな成長を遂げられる」ことを実感する。2016年より(株)ジャパンビジネスラボに参画。我究館学生校の主担当コーチとして大学生をサポート。2017年10月より副館長を務め、2021年5月より現職。外資系投資銀行、コンサルティングファーム、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。著書に「絶対内定」シリーズがある。