就活本に初めて「自己分析」の考えを取り入れた本として
14年連続大学生協第1位のベストセラーを誇る『絶対内定』シリーズ。
ただ内定をとるためだけではなく、「心から納得のいく進路が見つかる」「本当にやりたい仕事がわかる(やりたいことに気づける)」「自分らしく働ける会社と出合える」「入社してから『こんなはずじゃなかった』と後悔しない」ための1冊であることが大きな特徴だ。
キャリアデザインスクール「我究館」のもつ、1万人以上におよぶ就職・転職指導の経験を活かしたノウハウが、このシリーズには詰まっている。
コロナ禍で価値観が大きく変わるなか、会社選びも大きく変わってきている。
自分らしい働き方とは、生き方とは…、
今、じっくり自分と向き合う時間を『絶対内定』と過ごす就活生が増えている。
(構成/藤本健司、ダイヤモンド社・朝倉陸矢)

【就活する前に知っておきたかったこと】「会社は、社員個人の幸せのために存在していない」という事実Photo: Adobe Stock

多くの社会人が陥る「会社の罠」とは何か

これから就職しようというきみに、社会や会社について事前に知っておいてほしいことは山ほどある

連日の不祥事の報道できみも知ってのとおり、名だたる大企業も中小企業も、すべての会社とは言わないが、おかしなこと、いい加減なこと、インチキとしか言えないようなことなど、改善していくべきことがまだまだたくさんある。それが日本、そして世界の企業社会の現状であり、また社会全体の現状でもある。

ここでは、「会社と個人の生き方」に関するきみに伝えたいことの中から、特にこれだけは押さえておいてほしいことを、あえて「会社の罠」と題して列挙しておこう。

前提として、多くの会社は学校と違って、そもそも「社員の個人の幸せ」を第一にして存在しているものではないという当たり前のことを忘れないでほしい。

・会社が自分に期待していることと、自分の夢や目指していることとのギャップを自分で意識していかないと、会社の中ではそれなりに昇進したとしても、自分の夢からはズレていく。
・会社は、受け身な気持ちで「期待に応え続ければ、いつかご褒美としてハッピーにさせてくれる」というところではない。自分の夢、自分のビジョンを持っていないと必ず流される。
・やりたいことは自分から提案してやっていかないと永遠にできない。待っていれば、そのうち「やりなさい」と言ってくれるものではない。自ら「やりたい」と主張していかないと、やれるはずがない。

・業界や会社によってカルチャーは全然違う。モラルだけに限らず、社員の考え方や様々な価値観はまるで違うものである。
・その会社、その業界でまかり通っている常識が社会で通用するものとは限らない。その会社、その業界でよしとされることが正しいことでは決してない。
・「朱に交われば赤くなる」傾向は誰にでもある。どんなに自分を持っていても、知らず知らずのうちに、その環境に染まっている。当たり前でないことをついつい当たり前だと思い込んでしまう。
・社員として達成できたことが、そのまますべて自分の実力ではない。名刺を外してどれだけ通用するかは、また別である。
・どんな大企業も、安定した生活が約束されているわけではない。

ずっと社員でいられるとは限らない。給料が年々増えていくとも限らない。そもそも給料は、成果を出し続けなければ増えるどころか、もらう権利はないはずのものである。