米国によるアジェンデ民主政権転覆
もう一つの「9・11」は未解明
チリのサルバドール・アジェンデの人民連合政府が1973年9月11日、ピノチェト将軍を首謀者とする軍事クーデターで崩壊してから、半世紀がたとうとしている。
アメリカ政府および中央情報局(CIA)が全面的にお膳立てをした軍事クーデターで、直後の軍事独裁政権による大量の市民の殺害や拷問、投獄は全世界に計り知れない衝撃を与えた。
自由や民主主義を標榜するアメリカが、自国企業の権益擁護のため、自らの意に沿わない他国の政権の転覆を図ったものだが、アメリカにかぎらず、大国が自国利害から他国の主権を侵害し一方的な軍事侵攻をするのは、イラクやアフガニスタン戦争、そしてウクライナ戦争とも共通する。
当時の状況を記録したものの、いまだ機密が解除されていない資料が数多くある。
繰り返される大国の介入主義の実相を知り、歴史の教訓を得るためにも、真相解明が重要だ。