世界は核保有大国の軍事侵攻で
ロシア排除の新たな構造に進む
ロシアのウクライナ軍事侵攻は核を保有する大国が一方的に力で他国を侵略するという暴挙であり、第2次世界大戦後の秩序を根底から覆した。
それは安全保障秩序を変えるだけではない。
冷戦終了後のグローバリゼーションは、貿易や投資を含め国境を越えた自由なヒト、モノの移動が繁栄を生んだが、そこからロシアとロシアにくみする国を排除していくデカップリングの新しい構造に代わっていかざるを得ない。
このまま進めば、ロシアとの厳しい対立が「第3次世界大戦」を引き起こしかねない情勢を生む。
そうならないうちに何とか政治的解決に持ち込まなければならない。
「世界の警察官」をやめた米国
安全保障構造は大きく変わる
アフガニスタンからの米軍の撤退に続き、今回のウクライナ危機に対して米国の軍事介入が行われない2つの例が示しているのは、米国がもはや「世界の警察官」の役割を果たせなくなっているということだ。
冷戦が終わった後の米国の戦争は、条約上の同盟国以外に対しても、侵略などの無法な行動をした国には軍事介入するといった「世界の警察官」としての役割が中心だった。