豊田章男会長が辞意を翻意も
続投は必然の内情
日本自動車工業会(自工会)は3月23日にオンライン記者会見を開き、1月末に辞意を表明していた豊田章男会長が、理事全員からの強い慰留により続投することになったと発表した。また、4月から新たにトヨタ自動車社長に就任する佐藤恒治氏が、副会長に就任することも発表された。
そもそも豊田章男氏が日本の自動車産業の総本山である自工会の会長職の辞意を表明したのは、トヨタ自動車のトップ交代によるものだった。
1月26日、トヨタは4月1日付での豊田章男社長の退任(会長に就任)と佐藤恒治執行役員の社長昇格を発表した。自工会では「会員会社の執行トップが理事を務め、その理事の中から会長を選出する」という申し合わせ事項があるため、豊田章男氏は「トヨタの社長を降りることは、自工会会長を降りること」という考えの下、会長職を辞任する意向を自ら表明し、自工会が1月30日に発表した。
これにより、各メディアで「自工会、豊田会長が退任へ」の見出しが躍って、自工会会長交代が“既定事実化”されたかのようになっていたのだ。