給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全――成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【成長株の見つけ方】消費者の感覚に加えて必要な、もう1つの視点とは?Photo: Adobe Stock

自分の感覚だけでは、判断を誤ることもある

 牛丼は吉野家派という人も多いでしょう。吉野家(吉野家ホールディングス:9861)は、牛丼店のパイオニアであり海外展開でもいちはやく成功していて、日本の飲食業界のロールモデル(見本)ともいえる会社です。

 しかし、同社は2001年以降の20年間で業績をほとんど伸ばせていません。

 その間、すき家を運営するゼンショーは、売上高を20倍に伸ばしました。今や牛丼店の圧倒的最大手はすき家です(下図)。

 消費者としての感覚は重要なのですが、それだけでは判断を誤ることもあります。

 実際に会社の運営をうまく回して順調に成長しているのはどこなのか、ということを冷静に見極めることも大切です。

 「自分はこの店が好きだけど、店舗数も業績もあまり伸びないな」というケースもありますし、「自分はあまり好みではないけど、この店はすごく伸びている」ということもあります。そういう場合には、停滞している原因や好調な理由などを考えてみましょう

 外食・小売チェーン店の成長企業の特徴としては、出店戦略やコストコントロールの巧みさで利益を稼ぎ、その利益でさらに出店を加速させる、という好循環を生み出していることが挙げられます。そうした意味では、財務分析も大事になります。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/