ソニー新社長をはじめ
多くの財界人を輩出
県庁所在地の山口市にある県立高校だ。明治以来150年余の校歴を誇り、政財界の大物を送り出してきた。
ソニーグループの新社長に、この4月1日付で就任した十時裕樹が、山口高校の出身だ。会長兼社長を務めていた吉田憲一郎(鹿児島県立鶴丸高校卒)は代表権のある会長に就き、最高経営責任者(CEO)を引き続き兼務する。
十時は、早稲田大商学部卒で1987年にソニー(現ソニーグループ)に入社し、財務部門を長く経験した。ソニー銀行代表取締役などを経て、20年6月から副社長兼最高財務責任者(CFO)だった。十時は社長ポストと同時にCOO(最高執行責任者)とCFOを兼務する。
ソニーグループは、売上高10兆円規模で、23年3月期には2年連続の営業利益1兆円超を見込む。
グループの将来について十時は、「エンタメとテクノロジーを持つユニークな企業体で、多様性を利点として力強く成長を続けていく」と自信満々だ。「ソニー神話の崩壊」と、この30年で何度も揶揄(やゆ)されたが、吉田―十時体制で「新しいソニー神話」が始まったようだ。
前身の旧制山口中学の卒業生を見ると、大物財界人がめじろ押しだ。