大規模通信障害後の対応で
称賛されたKDDI社長の高橋誠
難読校の一つだ。「ぜぜ」高校と読む。琵琶湖南岸の滋賀県大津市にある。1898年に県第二尋常中学校として創立された。京都大に毎年度、多数が合格している。
大手電気通信事業者のKDDIは、2022年7月2日から5日にかけ、約61時間に及ぶ大規模な通信障害を引き起こした。携帯電話サービスのauなど、3600万人以上の利用者に影響が出た。前代未聞の大事故だった。
総務省から「情報開示、事故対応が遅れた」と大目玉を食らったが、社長の高橋誠に対する世間の評価はこの事故で逆に高まり、SNSなどで称賛された。
高橋は自ら記者会見に臨み、通信障害事故の原因について「コアルーターの経路設定ミスが発端」として現場育ちの技術屋らしく細かく説明した。言葉を濁さず前面に立って説明したことで、安心感が広がった。この手の不祥事では、技術担当の役員に任せて、社長は後ろに引っ込んで済ますことが多いが、批判を真正面から受け止める高橋の態度は好感を与えたのだ。
高橋は膳所高校から横浜国立大工学部に進み、金属工学科を卒業して、京セラに入社した。すぐに第二電電企画(現KDDI)に出向し、モバイル事業の技術者としてとんとん拍子に出世、18年に社長に就任した。
今回の障害を受け総務省は、携帯事業者間で障害発生時に通信網を融通する「ローミング」の導入に向けた検討を進めている。