短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。【がっちりマンデー!!】(TBSテレビ系)のSNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

頑張らなくてもなぜかうまくいってるチームの共通点

チームの進捗状況が一目でわかるコツ

 目標数値は、常に目に入る状態にし、24時間、目標を意識する環境をつくる。

 目標数値、残りの日数を壁に貼り出してみよう。

 チーム目標の場合、全員の進捗状況が一目でわかるよう可視化する。

 アナログのボードでも、ネット上の社内システムでもいい。

 いずれにせよ、全メンバーが

「今どういう状態にあるか」
「うまくいっているか」
「達成まで残りどれくらいか」

 が一目瞭然の環境をつくる。

 これは野球で、メンバー全員がイニング、得点、アウトカウント、ボールカウント、ランナーの状況などを把握しているのと同じだ。

 全員が状況を把握しているからこそ、適切な連携プレーができるのだ。

 可視化せず、当人から報告する方法ではリアルタイムに「うまくいっているかどうか」がわからず、人によっては計算間違いをしているケースもあり、正しい戦略変更や修正ができない。

商品開発も発売日から逆算して自動化

 当社では、商品開発スケジュールを「見える化」するシステムをつくっている。

 スタート日を入力するだけで、いつまでに、何をやるかが自動的に表示される。

 一つの化粧品開発には1、2年かかる。

 その間、同時並行的にさまざまなことを行う必要がある。

 たとえば2022年10月11日にプロジェクトがスタートすると、自動的に約2年後の2024年10月11日が発売日と決まる。

 当社は発売前に全社員で使用テストを行うので、発売日の1か月以上前に納品される必要があり、商品納品日は9月11日。

 9月11日に納品されるためには、パッケージに中身を充塡するのに1か月かかるので、パッケージの納品日は8月11日。

 保存効力(品質)テストとモニターテストは3か月かかるので、開始期限は5月11日。

 すると1か月前の4月11日にモニター募集開始という具合になる。

●発売開始:2024年10月11日
●商品納品日:2024年9月11日
●パッケージ納品日:2024年8月11日
●保存効力(品質)テスト:2024年5月11日
●モニターテスト:2024年5月11日
●モニター募集開始:2024年4月11日
●プロジェクトスタート:2022年10月11日

 このように各工程納期が自動表示され、担当者は全工程を見通しながら、各自の仕事を期限までに終わらせる。

 このシステムがない頃は、一つひとつの工程が終わるたびに次工程に取りかかり始めていたので、「いつ完成するかわからない」という状況だったが、実際の作業データを分析し、自動的に表示されるようにしたのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)