日本経済は復活するのか。投資家の村上世彰氏は「この1、2年はこれまで私が経験したことがないような好循環で回っていく」「日本株は大復活する」と明かす。その理由とは?ジャーナリストの池上彰氏との対談で両氏が大いに語った。(ジャーナリスト 池上 彰、投資家 村上世彰 構成/梶原麻衣子)
わが投資家人生で一番の好景気
劇的な変化が始まる
池上 日本では、日本銀行の総裁が黒田東彦氏から植田和男氏に交代し、これから日本は金利を上げるのか、異次元の金融緩和の出口戦略はどうなるのか、非常に多くの人が気にしているところです。
村上 これは難しい問題で、むしろ私が池上さんに意見を聞きたいところではあります(笑)。久々に日本に帰ってきたら、やはり物価が上がってきたという実感があります。となれば、金利もそろそろ少し引き上げて、かつ物価も上がる、人件費も上がる、金利も上がるというソフトランディングが、ひょっとしたらうまくいくんじゃないかと思っています。
池上 確かに、2023年4月に新年度を迎え、大企業から中小企業まで、賃上げを実行し始めていますよね。給料を上げるためにも、販売価格やサービス価格を上げざるを得ないという動きが、ようやく出てきたのではないかと私もみています。
村上 そう、ほんの少しなのですが、こうした動きが出てきたこと自体、この30年なかったことです。自分が役人人生を終えて投資家になって以来、日本がこんなに景気がいいのは初めてで、ひょっとしたら劇的な変化の始まりなのではないか、と。今回、日本はビッグチャンスを迎えていると思います。
次ページでは、村上氏が「この1、2年はこれまで私が経験したことがないような好循環で回っていくのではないか」「日本株は大復活するでしょう。私自身の投資家人生においてもかなり『動きそうな』時期」と語り、その理由を明らかにする。また、岸田内閣が打ち出す「新しい資本主義」の中身と10年後の日本の未来について池上氏と語り合った。