そうでなければ「2つお伝えしたいかな」と冒頭で発言することはできません。つまり、森岡さんは物事を因数分解し、大学生でもわかるような状態にしてから話しているのです。さらにこの大学生は「自分の特徴はどうやって見つけるのか?」という質問を重ねます。この問いに対しても、森岡さんは次のように答えています。
またもすぐに「3つ」という提示をされていました。人の強みや特徴というものはこの3つに因数分解できると理解しているのでしょう。学生時代からとにかく数学は得意だったとのこと。コミュニケーションの仕方を拝見していて、個人的にはとても納得感がありました。
あなたの話は
「塊」と「矢印」で表現できる
繰り返しですが、私はあなたに因数分解してから話すことを提案しています。おそらくその有用性もご納得いただけたのではないでしょうか。
しかしこの行為は、実は簡単なようでとても難しいものです。無意識にできてしまう人にとってはなぜそれができないのかが理解できず、逆に頭がそう動いてくれない人にとっては、理屈はわかるけれど具体的にどうすればいいのかわからず途方に暮れてしまいます。
もし読者であるあなたが後者だとしたら、本書における私の仕事は「ではどうやって自分の話す内容を事前に因数分解するのか?」という問いに答えることです。いまからまさにその手法についてご提案をしてまいります。具体的には次のステップで行います。
STEP1 相手が理解するために必要な最低数の要素を挙げる
STEP2 その要素に順番をつける
STEP3 各要素について、それを相手が理解するために必要な最低数の要素を挙げる
STEP4 その要素に順番をつける
具体例をひとつ挙げましょう。私が自分の仕事について説明する文章をご用意しました。