法政大学はどんな雰囲気?

 法政生と言えば、かつては「屈折した硬派学生」の代名詞だった。しかし、そんな「法大生らしさ」は、もはや絶滅寸前。「親戚のオジサンに『女の子だと苦労するかもな』と脅されたけど、全然そんなことなかった」「いつまでも昔のイメージで見られるのは迷惑」といった声も多い。

 世間から隔絶されている多摩キャンパスは、できた当初から平和でのどかな空気に包まれ、学生の気質ものんびりとしていた。市ケ谷キャンパスは、新しい学部や女子学生が増えたり建物が改修・新設されたりして、もはや「どこにでもいそうな学生たちが、まじめで無難な学生生活を送る、こぎれいなキャンパス」になっている。

 サークルは乱立ぎみ。登録されているだけで約200。その他に非公式のものも多く、新入生は注意が必要だ。例年、新入生が入ってくると、チラシが大量に貼られ、熱心な呼び込みによる勧誘が行われる。

 とはいえ、過剰な勧誘活動は注意を受けることもあり、以前に比べると控えめになった。多摩はテニスサークルが主流。近辺の女子大とのインカレも多い。サークル参加率は半々といったところ。音楽系の活動はなかなかのもの。市ケ谷にはいくつかの有名なオールラウンド系サークル(=飲みサー)もあったが、コロナの影響もあり最近は減っているとか。

学習院大学はどんな雰囲気?

 都内の大学の中でも、独特の雰囲気がある学習院。まじめさと落ちつきが、彼らの美徳だ。育ちが良いから焦りがなく、従順で、奇抜なことはしたがらない。礼儀正しくて、品が良い学習院生の態度は、たくさんの人から好感を抱かれるだろう。学生の多くも、大学に流れる空気感を気に入っている。

 しかし、何か尖ったことがしたい、自分の個性を出したいと考える学生にとって、学習院は窮屈な場所になってしまうのもたしか。「金髪にしたときは、キャンパスですれ違う人たちからめっちゃ見られた」(文学部生)、「閉鎖的な雰囲気だとは思う。大学もそのイメージを脱却したいらしく、学生にボランティアといった課外活動を推進しているみたい」(法学部生)。

 例外的に毛色が違う学生が多いのが、国際社会科学部。ここには、自己主張が強い子もいるようだ。皇族のイメージが強いが、学生の大半は一般庶民。他大生からは、よく「お金持ちなんでしょ?」といじられることもあるが、「話のきっかけになることも多いので気になりません」(文学部生)と余裕を見せる。

 内部生の中には、本当に資産家のご子息・ご息女がいるのも事実だが、外部生は「そんな人に限って謙虚で目立たない」(経済学部生)と語る。ひけらかさないところが、きわめて学習院生らしい。