国庫支出金や積立金運用収入含めても
支給開始年齢引き上げは必要
これまで、本コラム「年金支給開始年齢『再度引き上げ』は必至、やはり“虚構”の年金財政」(2023年4月13日付)、「『負担の全世代型』改革、年金支給開始年齢引き上げの議論早く始めよ」(2023年4月27日付)で、年金給付と保険料収入をもとに年金財政の持続性の問題を指摘してきた。
年金支給開始年齢の再度の引き上げなどが行われない場合は、政府のいう年金「百年安心」は幻に終わる。
ただし、年金会計の収入としては、保険料のほかに国庫支出金と積立金運用収入がある。
国庫支出金は高齢化で受給者が増えれば増加するので、年金財政にはプラスの要因だ。
これらをも考慮した場合の年金財政はどうなるのか。
公的年金制度のなかでは圧倒的に規模が大きいサラリーマンの厚生年金で改めて検証してみた。
だがやはり支給開始年齢の引き上げなどの改革が行われないと、厚生年金は2040年代前半には破綻する。悲観的な見通しは変わらない。