新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度のホテル編だ。
ホテル業界はコロナ前の業績に戻せた?
ホテルの主要3社が発表した2023年3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯プリンスホテル(西武ホールディングス〈HD〉)の宿泊客数
3月度:前年同月比183.1%(83.1%増)
◯京王プラザホテル(京王電鉄)の売上高
3月度:同273.2%(173.2%増)
◯東急ホテルズ(東急)の店舗売上高
3月度:同200.7%(100.7%増)
3社とも前年実績を大きく上回り、特に京王プラザホテルと東急ホテルズは、前年同月比の売上高から2倍以上となる大幅な増収となった。
ただ、ホテルは新型コロナウイルス禍で大きな打撃を受けた業界の一つだ。コロナ禍で業績が大幅に悪化し、そこからの反動増による「見せかけの好業績」の可能性もある。
なので、時系列で数字の推移を丹念に見ながら、コロナ前の水準と比較した「真の回復度」を詳しく確認していこう。
3社のうちコロナ前の水準を上回っている会社はどれくらいあるだろうか? 当ててみてほしい。