新型コロナウイルス感染症流行前と
比べた中小企業の設備投資の増加率

中小企業が設備投資を積極化、低成長からの脱却には政府の後押しが不可欠新型コロナウイルス感染症流行前と比べた中小企業の設備投資の増加率 *財務省「四半期別法人企業統計調査(令和5年1~3月期)」を基に日本総研算出

 コロナ禍からの経済活動の回復に伴い、企業が設備投資に積極的だ。財務省の法人企業統計調査によると、1~3月期の設備投資(季節調整値)は前期比+2.3%と、4四半期連続で増加した。13.2兆円という水準は、コロナの影響がなかった2020年1~3月期(12.5兆円)を5.2%上回った。

 とりわけ、設備投資を積極化しているのが中小企業である。資本金1000万円以上1億円未満の企業の設備投資は、新型コロナの流行直後に1割以上落ち込んだものの、経済活動の回復とともに増加に転じ、足元ではコロナ禍前を23.9%上回っている。

 中小企業の設備投資を詳しく見ると、コロナ禍で先送りとなっていた既存設備の更新だけでなく、ポストコロナを見据え、人手不足への対応や生産能力の増強といった投資が増えている。