「あの製品は、サービスはなぜ多くの人に選ばれたのだろう?」。ビジネスの世界には、従来の視点から外れることで新しいアイデアを見つけ出す方法があります。考えに行き詰まったら、成功した既存の製品・サービスが今までの枠組みから外れて消費者に与えた新しい「意味」を考えてみましょう。※本稿は、山脇秀樹『15歳からの人生戦略 ドラッカー経営大学院教授の「未来をつくる」授業』(東洋経済新報社)の一部を抜粋・編集したものです。
もしすべてが可能なら?
「What if?」、日本語に訳すると「もしすべてが可能なら、どうなるの?」です。あなたが抱える課題に対して、「もし従来の仮定を崩して、既存の常識を変えてみたらどうなるの?」という問いかけです。従来の視点、枠組みから外れて(リフレームして)答えを出していくのです。
ビジネスの世界ではこのようなリフレームをして、新しいアイデアを出した例をたくさん見つけることができます。その例をいくつかあげてみると、
・もし空いている部屋を旅行者に貸すことができたなら
→Airbnb
・もし工場に行かないでもエンジン組み立ての実習ができたなら
→BMWでの組み立て作業の実習
・もしオフィス用家具が機能的のみならず美しかったら
→Herman Miller
・もしエコカーが素敵なデザインでスポーツカーのように加速できたなら
→Tesla
・もし購入した人に家具を組み立ててもらったら
→IKEA
・もしスーパーで買った品物を店内で食べることができたら
→Whole Foods Market
・もしシーズン途中でも新しいデザインの服を次々と投入したら
→ZARA
・もし飛行場のターミナルがショッピングモールだったら
→ロンドンのヒースロー空港ターミナル4、ミュンヘン空港
等々が、すぐに見つかります。新しい発想に行き詰まったら、「What if?」「もしすべてが可能なら、どうなる?」と投げかけて、発想の転換を促すのです。
そして、既存の常識を大きく覆していくようにアイデアを出していきます。
英語にstuck(立ち往生)という言葉がありますが、もしスタックしたら、What if?あるいはリフレームしてみてください。きっと、泥沼から抜け出せるでしょう。
これどういう意味があるの?
ある製品を購入する際、あるいはあるサービスを使う際には、あなたはどのようにして製品とサービスを選ぶのでしょうか?
言い換えると、「購買決定の瞬間(buying moment)」は一体どういうシナリオで起こるのだろう、いったい何がそれを促すのだろう、という疑問です。この疑問を考えながら、「意味」について考えていきましょう。