一目置かれる
慣用言葉
文章を書くときに重宝するのが慣用言葉(慣用句や慣用フレーズ)と四字熟語です。慣用言葉や四字熟語を使うことで、ダラダラと言葉を紡ぐ必要がなくなるほか、書き手の意図や真意も伝わりやすくなります。また、文章が知的で大人っぽく見える点も慣用言葉を使うメリット。魅力的な文章を書く人ほど、慣用言葉や四字熟語を巧みに織り交ぜています。今回は文章の格がアップする慣用言葉を厳選紹介。意味を適切に把握し、積極的に使っていきましょう。
例文:手垢がついたセリフばかりでうんざりした。
意味:使い古された/言い古された
解説:「手垢がつく」とは、物事や言葉などの表現が使い古されて、陳腐化してしまうこと。
類語:使い古された/新鮮味に欠ける/目新しさのない/陳腐/色あせた
例文:その展示物は異彩を放っていた。
意味:多くのなかで際立って見える/一段と優れている
解説:〈人や物が、独特の(あるいは優れた)特徴、感性、技量、才能、価値観をもっている〉ときに使う。
類語:目立つ/際立つ/目を引く/一味も二味も違う/並外れた/型破りの/桁違いの/特色のある/ずば抜ける/非凡な/秀でる/逸材
例文:世界にも類を見ない貴重な土器だ。
意味:似たようなものがほかにはない
解説:〈ほかに比べるものがない/同水準のものがほかにない〉と伝えたいときに使う。
類語:唯一無二の/類例のない/比類のない/前例のない/先例のない/無類の/今までにない/前代未聞の/前例が見当たらない
例文:粘り強い交渉が功を奏し、契約を勝ち取った。/粘り強い交渉が奏功し、契約を勝ち取った。
意味:効果がある/成功する
解説:〈対策を講じたり、努力をしたりした結果として、目的どおりに物事を成し遂げた〉と伝えたいときに使う。
例文:A社が業績不振で倒産の危機に瀕しています。同じ業界に身を置く者として身につまされる話です。
意味:(他人の不幸などが)自分ごとのように感じられる
解説:〈見聞きしたことに対して「人ごとではない」と感じた〉ときに使う。
例文:大上段に構えて訓示をたれたところで、誰も聞く耳を持たない。
意味:威圧的な態度をとる
解説:〈相手を威圧するような態度、上からものを言うような態度をとっている様子〉を伝えたいときに使う。ちなみに、「大上段」とは、剣道で剣を頭の上にふりかぶる構えのこと。