「よろしくお願いします」で台無し、伝わる文章を書けない人の残念なメールPhoto:PIXTA

「伝わるメール」と「伝わらないメール」の違いは大きい。メールは情報伝達ツールとしてだけでなく、コミュニケーションツールとしての役割も担っているからだ。では、「伝わるメール」はどう書けばいいのか。特集『最強の文章術』の#10では、メール術のプロが「伝わるメール」の書き方を伝授する。(伝える力【話す・書く】研究所所長 山口拓朗)

伝わるメールを書ける人と書けない人の
「決定的な差」とは

 伝わるメールと伝わらないメール。両者の差は「微差」ではなく「大差」だ。伝わらないメールとは、相手に余計な頭を使わせて、心理面でもストレスをかけてしまうメールのことだ。

 伝わらないメールを書いて相手が誤解すれば、その誤解を解くためにムダなコスト(時間・労力)が発生する。何より怖いのは、取り返しのつかないミスやトラブルを誘発しかねないことだ。場合によっては、書き手自身の信用を落とす、あるいは、所属する部署や会社に損害を与えてしまうようなケースもある。

 もちろん、伝わらないメールを書いて相手の気分を害せば、信頼関係も損なわれかねない。メールは情報伝達ツールとしてだけでなく、コミュニケーションツールとしての役割も担っていることを肝に銘じておく必要がある。

仕事のメールの極意は
「結論ファースト」

 仕事におけるメールで最も大事なことは「結論ファースト」で書くことだ。くどい前提や背景説明、もったいぶった表現はNG。メール本文の冒頭で結論を明確に示す必要がある。結論を先に示すことで、その後に続く文章の理解度も高まりやすくなる。