マンション管理 天国と地獄#7Photo:MRBIG_PHOTOGRAPHY/gettyimages,Yoko Suzuki

管理会社の良しあしは、会社のブランドや規模よりもとにかく「担当者による」という声も多い。113社のマンション管理会社が登場する特集『マンション管理 天国と地獄』(全18回)の#7では課題にしっかり対応してくれる「社員パワー」を測るべく、担当者の質に大きく関わる二つの指標の合計点でランキングした。既存の管理会社ランキングとは全く異なるデータを開陳する。 (ダイヤモンド編集部 鈴木洋子、山出暁子)

管理会社の良しあしは
結局「担当者」で決まる

 安心できるマンション管理会社とは、どのような会社だろうか。ちまたにあふれる既存のマンション管理会社のランキングは、戸数や売上高など「規模」だけで、評価がされている。果たして、それでいいのだろうか?

 というのも、マンション管理の常識ががらりと変わっているからだ。まずは、「管理会社側が選ぶ」ようになったということ。本特集#5#6で見てきたとおり、いまや管理会社側から管理組合に対し、管理委託契約更新を断るケースも珍しくないのだ。さらに、#1#3#4でも触れたように、マンション管理に対する国と業界の新たな認定・評価制度ができたこともあり、「管理でマンションを選ぶ」傾向は強まっている。

 つまり、管理会社選びの常識や必要な知識が激変しているわけで、それにもかかわらず、規模だけで選んでいたら、思わぬ落とし穴に陥る可能性が高い。

 そこで本特集では、ダイヤモンド編集部は「管理会社優位時代」「管理でマンションを選ぶ時代」に対応できるランキングを複数作成した。今回のランキングで見るのは、「管理会社の社員パワー」だ。

 管理会社の良しあしは、管理戸数の多さやブランドイメージなどよりも「とにかく人が重要」だといわれる。どれだけ有名な管理会社であっても、現場担当者がマンションに来ない、対応が遅い、知識がないなど頼りにならなければ全く意味がないからだ。そこで「社員のパワー」を測るべく、管理会社の人材に関わるデータを基に二つの指標を作成、その合計点数(50点満点)で独自にランキングした(指標の評価基準や詳細な算出方法は記事末尾に掲載)。

 今回は、マンション管理事業そのものの実力を比較できるよう、大手でもマンション管理事業売上比率が全体の50%を切っている数社は外した。加えて、中堅の良い会社を見逃すことのないよう、管理戸数が2000戸以上の会社を対象とした。

 中堅から大手まで113社がランクインしているが、管理戸数や売上高を基準に作られる、よくあるランキングではあまり上位で名前を目にすることがないような管理会社が並ぶ結果となった。

 それでは、早速ランキングを見ていこう。マンション購入・売却を考えているのなら、絶対に見ておいて損はない。