谷村格・エムスリー社長と星崎尚彦・ビジョナリーホールディングス前社長Photo:JIJI、Yoshihisa Wada

眼鏡店「メガネスーパー」を運営するビジョナリー・ホールディングス(VH)前社長、星崎尚彦氏の独占インタビューは、「医療界のGAFA」と言われる医療IT大手エムスリーの社長、谷村格氏の知られざる一面を明らかにした。星崎氏の証言により、谷村氏の不透明な株取引に関する疑惑が浮上した。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史、フリーライター 村上力)

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「医療界のGAFA」エムスリーに疑義
投資先に谷村社長が個人で株取得か

 VH社長を今年3月に退任した星崎氏は、退任のきっかけとなった不正取引などの疑義について反論し、筆頭株主であるエムスリーとの水面下のやり取りを初めて明らかにした。

 そこから垣間見えたのは、医療界で積極的にM&Aを繰り広げるエムスリーの強硬な一面だ。

 エムスリーは2020年2月の第三者割当増資引き受け後、VHにエムスリー流の経営を持ち込み、会計監査人をエムスリーと同じPwCあらた監査法人に代えるなど“一体化”を求めていた。これに星崎氏が抵抗すると、コロナ禍で悪化した業績を理由に辞任を迫ったという。

 さらに星崎氏の証言により、エムスリーの谷村格社長の意外な行動が浮かび上がった。エムスリーがVHに出資する以前、谷村氏が個人的にVH株を買い付けていたというのだ。

 ダイヤモンド編集部は、株取引に問題があるのか否かを検証すべく専門家らに取材を行い、エムスリーに対しても説明を求めた。その結果を次ページで明らかにする。