エヌビディア AI王者と台湾の黒子#6写真:財訊

ChatGPTによるAIブームで、米エヌビディアの半導体は争奪戦になっている。今年台湾ギガバイトから独立した子会社は、エヌビディアの最新の半導体「HGX H100」を搭載する三大サーバーメーカーの1社に名を連ねた。特集『エヌビディア AI王者と台湾の黒子』(全7回)の#6では、早くからエヌビディアに懸け、AIサーバービジネスで存在感を発揮する台湾有力企業の正体に迫った。(台湾「財訊」 林苑卿、翻訳・再編集/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

H100サーバーを納入できる3社に
今年設立のギガバイト子会社が認定

 米半導体大手エヌビディアの創業者兼最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏の訪台は、AI旋風を巻き起こした。フアン氏は5月31日、台北市で開催された国際展示会「COMPUTEX」で、台湾ギガバイトと子会社のギガコンピューティングテクノロジー(GCT)のブースを訪れ、エヌビディアの最新のサーバー用半導体「Grace CPU Superchip」を搭載したAIサーバーに直筆でサインした。また、エヌビディアの最新の画像処理半導体(GPU)「HGX H100」を使うAIサーバーも視察した。

 現在のところ、HGX H100の認定パートナーを取得しているサーバーメーカーは世界でも3社だけだ(クアンタ・コンピュータ<広達電脳>子会社のクアンタクラウドテクノロジー、米スーパーマイクロ、GCT)。つまり、HGX H100を搭載したサーバー製品を納入できるのはこの3社だけであり、これがギガバイト傘下で自社ブランドのGCTが業界から大きな注目を集める理由だ。

 しかし、サーバー事業の売上高が数千億~数兆台湾ドルである台湾・鴻海精密工業や台湾ウィイン(台湾ウィストロンのサーバー子会社)、台湾インベンテックと比べ、GCTの売上高は約200億台湾ドルにすぎない。規模ではとてもかなわないように見える。また年功序列の観点でも、GCTは今年ギガバイトから独立したばかりで、業界では後発組だ。なぜフアン氏はGCTをこれほど評価するのか。