日本再浮上&AIで激変! 5年後のシン・業界地図#10Photo:OsakaWayne Studios/gettyimages

AI向け半導体で絶大な強みを持ち、「時価総額1兆ドル」の大台に乗せるなど驚異的な高成長を続けるのが米エヌビディアだ。特集『日本再浮上&AIで激変! 5年後のシン・業界地図』(全16回)の#10では、AI関連の期待感が急速に高まる中で、同社や台湾のTSMC、東京エレクトロンなど高成長企業がひしめく国内外の半導体業界の動向を大展望。さらに、セクターアナリストの分析から、飛躍に期待がかかる「意外な2社」の存在も判明した。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

半導体業界にAIブームの恩恵
期待の「意外な2社」とは?

 急拡大する「ChatGPT」をはじめとした“生成AIブーム”の恩恵を最前線で受けるのが半導体業界だ。高いデータ処理能力が求められ、データセンター向けのAI半導体の需要が急増している。

 中でも今、その恩恵を一身に受けるのがGPU(画像処理半導体)開発で競合を引き離す米国のエヌビディア。5月には半導体企業として初めて、「時価総額1兆ドル」の大台に乗せた。

 専門家の間でも、「エヌビディアが今後どのように成長するかは、半導体業界にとって最大の注目点の一つ」(楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリスト)との声が出るなど、世界的に重要度が高まる半導体業界の中でも、期待値はうなぎ上りである。

 市況サイクルに左右される宿命を負う半導体業界だが、先端技術を巡る米中争いにおいても要諦となっており、主要国が続々と補助金を投下。足元ではグローバルに調整局面が訪れているが、当面は政策的な追い風も見込めるだけに、専門家の間でも「中長期的に伸びるのは間違いない」との見方でほぼ一致する。

 では、そうした中で特に成長著しい企業はどこか。以降ではエヌビディアのほか、主要な日系メーカーの動向も含め、専門家の見立ても踏まえて国内外の半導体各社の未来シナリオを分析。特に有望と言える海外の半導体企業4社や、セクターアナリストの分析から判明した、飛躍に期待がかかる日本の「意外な2社」の具体名を明らかにする。