このRiaaの名前が出ると、日本のK-POPファンからは「ITZYのリアのことか!?」と驚きの声が上がったが、同名の別人だった。こちらのRiaaは40代で、歌手を名乗ってはいるが近年は音楽で活躍をしているとはいえない活動状況。そんな彼女が活路を見いだしているのが、左派市民団体の代表としての活動だという。今回の騒動で「ろうそく連帯」に属していることが明らかとなり、反政権デモにも積極的に参加しているのが確認されている。

 Riaaに対しては賛同する声がある一方で、「芸能だけでは生活していけないから、市民団体活動は渡りに船だろう」「市民団体活動はやはりおいしいビジネスなんだろう」といった冷ややかな反応が多数を占めている。

 いずれのケースも、著名人が旬な話題に乗っかることで注目を集めようとする手法でタチが悪い。前述のYouTuberは批判を受けて最終的に動画を削除したが、それなら最初からそんなことを言わなければいいだけの話であり、売名行為と思われても仕方がない。

 ただ少し前、6月中旬には処理水への不安から、韓国の国民が食塩の買いだめに走りスーパーの店頭から食塩が消えるという、「塩騒動」のニュースが報じられた。報道があった当初は、新型コロナ流行初期のマスク騒動の二の舞いになるのではと不安を感じる者も多く、筆者の周辺でも「買いだめをしておいた方がいい?」と心配する声もあった。しかし、政府が国民に対し、塩不足や不安を誇張する主張には過剰に反応しないように呼びかけを行ったことで、国民もさほどの混乱に陥った様子はなかった。

 あれから1カ月が過ぎた現在、混乱が起こったり、スーパーで塩が品切れしたりといった事態も生じていない。また、クーパンなどのECサイトでは一時的に塩の価格が高騰していたが、それも今は従来の価格で安定している。

 野党や左派系市民団体としては、国民の不安な心理をあおり、処理水の危険性を強調し、再び日本をたたくことで世論を味方に付けたいという目論見があったのだろうが、不発に終わったと言っていい。

日本たたきをする野党の議員が
日本旅行に行く矛盾

 日本をターゲットにたたいている「共に民主党」であるが、その矛盾と滑稽さが際立ったのが所属議員で国会副議長の金栄珠(キム・ヨンジュ)氏の「北海道旅行計画」だった。「共に民主党」は7月初旬に福島の処理水の「糾弾決議」を強行的に可決させたが、その裏では金氏が北海道旅行でゴルフまで予定していたことをすっぱ抜かれたのである。日本をたたき、さらに処理水と関連付けて「食品の危険性」を叫びながら日本旅行に行ってゴルフまで楽しもうとしていたとは聞いてあきれる。

 文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代は、マスコミも「共に民主党」からの攻撃を恐れて常に政権に忖度した報道を行っていた。しかし政権交代後は、文前政権のほか、「共に民主党」や市民団体への批判的な論調が目立つようになってきている。そして、今回の処理水の件についても朝鮮日報が「デマを広めて反日をあおってきた」と厳しい批判をし、「『共に民主党』の質の低いデモと主張に、同調する国民は多くない」と切り捨てている。