世界観を統一して変えていく
パッケージに続いて、「ブランドブック」という稲庭うどん小川ブランドの想い、魅力、世界観を伝えるパンフレットも作成しました。パンフレットでは製造の工程をひとつひとつ取り上げ、素材、熟成の様子、手延べで麺を伸ばしていく作業などをビジュアルで見せています。
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キービジュアルをどうするかを考え、それを企業の「顔」としていくことも大事なポイントです。稲庭うどん小川さんの場合は「吊るし」の工程で、実際に乾麺を吊るしている様子を撮影した写真をキービジュアルとし、それをいかに情緒的に見せていくか表現を工夫しました。このひとつの写真がパンフレットだけでなく、いろいろな販促物に一貫して入れられ、アイキャッチとしての効果も生んでいます。
お店ののれんも新しいロゴに合わせて変えてもらい、その上で改めて写真を撮って、それをパンフレットに入れました。また、パッケージの写真もパンフレットで取り上げて、そこに込められた「想い」を文章で説明しました。
油や添加物を加えないと言い切るのは企業としてなかなか勇気がいることですが、あえて「お客様にお約束すること」として前面に打ち出しました。「美泡」というのは今回つくった造語なので、言葉としても頭に残るようなキャッチフレーズを組み合わせて、その説明をしています。
職人が温度や湿度に合わせて細かく調整しながら、手作業でうどんをつくっていくという、麺製造の細かい部分も写真で見せるようにしています。また、どんな風土の中で生まれたのかを伝えるために、冬の秋田の豪雪の写真も入れています。エンドユーザーが麺づくりの道具にも興味を抱く場合があるので、小道具類もきれいに撮って、稲庭うどん小川の世界観を形づくっていきました。
さらに、稲庭うどん小川は2004年に「手延べ干しめん特定JAS」認定工場第1号に選ばれており、そこもアピールポイントとして打ち出しています。